お客様の声 東京大学生産技術研究所 様
価格は安いし、納期も短い!ウェブから簡単に頼みやすいのも魅力!!
マイクロ・ナノデバイス技術を応用した研究や産業創出に取り組む東京大学生産技術研究所の竹内昌治研究室。その中で、血糖値の計測を24時間連続して行える体内埋め込み型センサーを開発しているエンジニアの塩田久さんに、開発内容や今後の抱負、そして「P板.com」の魅力についてお聞きしました。

塩田久 様 東京大学生産技術研究所 2部 竹内研究室 技術補佐員
どのような製品を開発しているかを教えてください。
塩田さん 私たちのチームでは、血糖値の計測を連続して行うための体内埋め込み型センサーの研究開発を行っており、私は血糖値を測定するセンサーの開発を行っています。
仕組みとしては、血糖値に応じて光の強度を変える「ハイドロゲル」をファイバー状に加工して、マウスの耳に埋め込んで紫外光を当てて血糖値を計測します。
血中のグルコースの増減に応じて光の強度が変わるので、それをオペアンプ回路で増幅し、マイコン回路を使って取り込んでA/D変換して表示するわけです。
P板.comに注文したのは、このオペアンプ回路の基板です。
この製品が実用化されると、どのように役立つのでしょうか?
塩田さん 現状では、糖尿病患者の多くは、1日に数回、指などに針を刺して血糖値を計測していますが、これでは細かい変化を捉えることは困難です。
体内埋め込み型センサーが実用化されれば患者の負担を大幅に減らすことができるし、24時間連続して血糖値を測定することが可能となります。
連続計測のための半埋込み型センサーで市販されているものもありますが、数日おきにセンサーを取り替える必要があり、長期間の計測は難しいです。
この微小径のファイバー型センサーを利用することにより、長期間センサーを取り替えることなく自動的に血糖値を計測できるシステムの実現が期待できます。
P板.comを使い始めたきっかけは?
塩田さん プロジェクトリーダーから、「基板作成だったらP板.comが実績がある」とアドバイスされたのがきっかけです。 個人が小ロットで頼む場合はP板.comを使う人が多く、価格も他社に比べて安いし、納期も短いという話でした。あと、ウェブから簡単に頼みやすいのも魅力で、 見積もりが自動的に出るので便利です。色々な意味で敷居が低いということで、基板のパターン設計サービスと製造サービスをお願いしました。
実際にP板.comを使ってみていかがでしたか?
塩田さん 設計の過程では、最初に提示された設計図ではサイズが大きすぎたので、サポートの方とメールをやりとりして、当初は2つ使っていたオペアンプを1つに減らすことにしました。
そのため回路は簡易化しましたが、できあがった基板の品質は十分良いものでした。
気になったのは、基板のCADデータの形式が限られていて、専用ビューアーでしか見られないことくらいで、
総合的には満足しています。今回は注文数が少なかったので実装サービスは利用していませんが、試作機を大量に作る機会があれば、実装サービスも使ってみたいですね。
体内埋め込み型センサーの開発で難しいのはどんな点ですか?
塩田さん このセンサーは、マウスの飼育用ケージに釣ってある金具のサイズの制約上、ケースの大きさが決められています。
小さなケースの中にオペアンプの基板やArduinoの基板など、さまざまな基板を入れなければならないことに加えて、将来的には光学系を入れることも考えているので、
できるだけ基板を小さくする必要があり、そこが最も難しいところですね。
今は実験用器具として開発していますが、将来的には血糖値測定器として患者が身に付けて歩くことを想定しているので、
最終的にはさらにもっと小さくしなければなりません。小型化してICが1個で済むようになればスマートフォンにも組み込めるし、腕時計型端末にも組み込めます。
そうすれば端末の通信機能を使って測定結果を病院に送信することなども可能になります。そのような製品を実現するために、引き続き小型化に取り組んでいきたいと思います。
今後の抱負をお聞かせください。
塩田さん 今のところ、回路的には直すところがないので、今後は光学系の改良に取り組んでいきたいと思います。今はLEDから出る送信用ファイバーとフォトダイオードで受ける受信用ファイバーが別々になっていて、 それを束ねて使っている状況ですが、送受信を1本のファイバーで行いたいと考えています。
お忙しいなか、とても貴重なお話をありがとうございました。